第1部:13時30分〜14時50分「イギリスの活字:キャズロン以前 15世紀–17世紀」
講師:河野三男
活版印刷術が出てきてからキャズロンまでのイギリスにおける活字にどういうものがあったのか、このあたりのことはこれまでほとんど知られていないことが盲点でした。
- はじめに
- イギリスとは
- イギリスの歴史(〜17世紀まで)
- 英語の歴史
- 印刷術の伝播(キャクストン以前)
- 1480年、印刷工房のある都市の数
- 都市別による書籍発行点数
- 15-17世紀のヨーロッパの印刷と活字
- アップダイクの活字評
- ウィリアム・キャクストン(1421-91)
- キャクストンの経歴
- キャクストンの活字
- キャクストンの顔
- ウィンキン・デ・ウォルデ(?-1534)
- キャクストンの助手で後継者
- デ・ウォルデの製作物
- ウォルデのイタリック体
- リチャード・ピンスン(?-1530)
- ピンスンの人物評と印刷
- ピンスンのローマン体
- ローマン体の比較 ピンスンとフローベン
- ジョン・デイ(1522-84)
- ジョン・デイの顔
- イギリスの初期印刷物の特徴
- ジョン・フェル(1625-86)
- 1667-72年、オランダから輸入された活字を提供
- 学匠印刷所
- オランダの活字彫刻師のウォルパーゲンをオランダに派遣(1676年)
- フェル活字の復活
- ヨゼフ・モクスン(1627-91)
- Mechanick Exercises(1678-83)の著者
- モクスンの影響
- 18世紀にまで延命したゴシック体
- 印刷業の衰退
- イギリスの印刷政策
- 衰退の理由
- 1637年の星室院の法令
- オランダ製活字が席巻した理由
- リード(Reed)の見解
- イギリスの活字を変えたキャズロンの登場
- まとめ
キャクストンの頃はゴシック系筆写体(フランドル・バスタルダ系・フォルム系)を活字化したものを使用。
ピンスンの頃、イングランドで最古のローマン体を使用。1518年に全ページローマン体で印刷された、イギリスで最初の書籍を発行。
これらの時代、特に17世紀は、主にオランダで鋳造された活字を輸入していた。
キャズロン登場後、オランダ製活字の輸入停止。イギリス国内の印刷に自信が出る。
頂いた資料をザクッとまとめてみましたが、まだ理解不足なのでこんなものでとりあえず。
第2部:15時10分〜17時20分「タイポグラフィとブックデザイン、その根底にあるもの。」
講師:白井敬尚と杉下城司による対談形式
雑誌『IDEA』のデザインを担当されている白井さんと、後輩で重森三玲関連や平野富二関連、銀座和光のCIなどの仕事をされている杉下さんのお二人のお仕事拝見と解説。その中で特に印象的だったのは、白井さんの組版指定やレイアウト指定でのグリッドと級数の指示が細密。あれは生半可に真似できません。スゴすぎ。中々言葉では表せませんので、実見する機会がありましたら見てみてください。
講義終了後、完全な部外者ながら@bellido1995さんにお誘い頂いて打ち上げにおよばれしまして、色々お話もできて楽しくも長い1日でした。
皆さんありがとうございました。
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