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2012年6月13日水曜日

【第1回もじ勉】ラテン文字レタードローイング勉強会報告

去る6/9に、初めてのもじ勉を開催しました。参加者はワタクシを含めて計14名、濃い勉強会になったと自負しています。
そんな勉強会の模様を報告しようと思います。



❖設営

今回お借りしたFacto(ファクト)さんのスペースは、使用の自由度を高めるために照明や机などは別途設営する仕様になっているので、参加者の方々に手伝って頂きながら設営。これで勉強会をする手筈が整う(その模様を写真に収めるのを忘れてました)。



❖はじめに

  • ワタクシの自己紹介。何者か、何の職業か、色々と企画したりしてWEB上で行っていることなどを。
  • 特別参加の三戸&清水ペアと、2人展「INTER-ACTION 手書き文字だから」のご紹介。
  • 進行について
    • 事前に各自書いてきた文字を、順に前のホワイトボードに貼って発表。9時〜12時
    • 昼食。12時〜13時
    • 修正作業。13時〜14時
    • 修正した文字の発表。14時〜16時30分
    • 撤収作業。16時30分〜17時
    • 懇親会。18時30分〜
  • その他細かいことなど。

photo_20120609Drawing002
いろいろ説明中、そして各自調整中
(photo by Mr. H)


そんなこんなで勉強会本編開始。



❖各自発表

自己紹介1分、発表2〜3分、講評6〜7分の、1人約10分程度で進行する予定で。
以下、発表される方のお名前はイニシャルのみにいたします。あしからず。



◆ワタクシ

1番手は、やはり言い出しっぺのワタクシから。

photo_20120609Drawing007
書いてきた文字の説明をしているところ
(photo by Mr. H)


………みごとな太鼓腹デスナ、まるでローマンキャピタルのBのよう(苦笑


photo_20120609Drawing009
書体はBastarda
(photo by Mr. H)


photo_20120609Drawing010
一通り説明した後は、皆さんで講評し合う
(photo by Mr. H)


ヤンヤヤンヤと講評して頂き、検討・修正した方が良い箇所を確認。
この時点で20分くらい経過していた。やはり講評では文字談義に花が満開状態になるので止まりません(笑
とりあえずこのままの勢いで進めて行くということで。



◆Iさん


photo_20120609Drawing011
書体はHelvetica
(photo by Mr. H)

photo_20120609Drawing016
pのBowlとrとの間のスペースについて説明しているところ
(photo by Mr. H)



◆Sさん(お1人目)


P1010159
書体はトラヤヌス帝碑文のローマンキャピタル

photo_20120609Drawing018
本来UであるところをVにした、果敢な挑戦
(photo by Mr. H)

古代のラテン語にはUは無く、VがUであったので、それを踏襲したスペルにしてみたとのこと。



◆Nさん(お1人目)


photo_20120609Drawing025
文字は、とあるロゴからインスピレーションを受けて
(photo by Mr. H)


元となったものが見られなかったのが残念でした。



◆Eさん


P1010162
書体はTrajan

photo_20120609Drawing034
白熱する講評
(photo by Mr. H)


この辺りから皆さん慣れ始めて前のめり気味に。



◆Hさん


P1010164
書体はGalliard Bold

photo_20120609Drawing004
強さ控えめな方向で
(photo by Mr. H)



◆Yさん(お1人目)


P1010166
書体はPalatino

photo_20120609Drawing035
Palatinoの優美さを活かして
(photo by Mr. H)



◆Yさん(お2人目)


P1010169
書体はローマンキャピタル

photo_20120609Drawing042
手書き文字を切り貼りしてからトレース
(photo by Mr. H)



◆Uさん


P1010172
書体は何か失念とのこと、それを加工したもの

photo_20120609Drawing044
ピオキオっぽいと絶賛
(photo by Mr. H)



◆Sさん(お2人目)


P1010176
書体はイタリック体

photo_20120609Drawing050
たくさん書いた中から
(photo by Mr. H)



◆Nさん(お2人目)


P1010178
書体はオリジナル

photo_20120609Drawing057
Nの左上角の処理で試行錯誤
(photo by Mr. H)



◆Fさん


photo_20120609Drawing061
書体はベン・シャーンの文字を基にしたオリジナル
(photo by Mr. H)

photo_20120609Drawing063
Oの配置の試行錯誤
(photo by Mr. H)



◆清水さん


photo_20120609Drawing067
スパーレス(spurless)のa!
(photo by Mr. H)

P1010182
書体はオリジナル、というか皆いずこへ?


実は始めの方の発表から、皆で後ろに下がって文字のバランスを確認することをしていたわけです。
文字のスペーシングなどは、こうやって離れて観た方がよくわかります。そして、3文字ずつ確認していくのがミソです。


photo_20120609Drawing024
皆で一歩下がって文字を凝視、の図
(photo by Mr. H)

photo_20120609Drawing069
そして、皆いろいろな場所から文字を確認中
(photo by Mr. H)



◆三戸さん


photo_20120609Drawing071
書体はオリジナル

photo_20120609Drawing072
ガンダムっぽいなぁと思ったのはワタクシだけ!?
(photo by Mr. H)



皆さんの発表が終わって、時計をみたら30分オーバー。
お昼時間を13時15分までにして、そこから修正作業開始。



❖修正作業


P1010186
真剣なまなざしで作業に没頭するの図

photo_20120609Drawing080
没頭中
(photo by Mr. H)

photo_20120609Drawing084
没頭中
(photo by Mr. H)


皆さんの作業を考慮して、14時30分より修正した文字の発表をすることに。



❖修正した文字の発表


P1010188
ちょっと緊張気味?

photo_20120609Drawing115
皆さん修正点確認のため凝視、そして撮影
(photo by Mr. H)



このように、修正前の文字と修正後の文字を並べて貼り、修正具合を確認して講評し合う作業をしていきましたが、予想に反して16時前に全員分終了してしまいました。



というわけで急遽、カリグラフィー体験コースを用意。未経験な方にカリグラフィーペンや平筆の書き心地を体験していただきました。

P1010190

photo_20120609Drawing143
(photo by Mr. H)



そして最後に、参加者みんなで各自文字を持って記念撮影。

photo_20120609Drawing147
(photo by Mr. H)



以上、ザックリとですが、当日の模様を最初から最後まで記してみました。
写真だけでは当日の熱い講評の様子をお伝えすることは出来ませんが、やはり文字の話をするのは楽しい。そしてスペーシングは一筋縄ではいかないことも改めてわかりました。
これから何回も勉強会をやっていかなければ勿体ないかな、とも思いますので、また第2回目について企画を練る所存であります。



■写真協力:Mr. HことHさん

2012年4月18日水曜日

【第1回もじ勉】ラテン文字レタードローイング勉強会開催のお知らせ

2012.5.19追記:訂正のご案内。文字を収める枠の寸法を、縦100mm、横150mm縦100mm、横225mmに訂正いたします。

2012.5.17追記:おかげさまで定員に達しましたので、募集終了とさせていただきます。


第1回ゴードン恵美レターカッティングWSで用意した
書体のAdobe Garamond Proをプリントアウトしたものを、
合評によって頂いた意見を元にバランスを修正したもの。

さて、しばらくぶりにイベントを開催することになりました。今回は、初の勉強会【もじ勉】を開催したいと思います。

この【もじ勉】の基本コンセプトは、『皆が講師で皆が生徒。』
つまり、皆がつくったものを皆でワイワイガヤガヤあ〜でもないこ〜でもないとアドバイスし合い、そのアドバイスを基に直し、そしてまたアドバイスし合う…、という流れで進めて行きます。ですので特定の講師はおりません。


今回は、2人展(神戸)の直前にも関わらず、特別ゲストとしてカリグラファー三戸美奈子清水裕子両氏も参加頂けることになりました。


で、栄えある(?)【第1回もじ勉】では何をするかと云いますと、以下の通り。


❖題目:
【第1回もじ勉】ラテン文字レタードローイング勉強会

❖内容:
予め皆さんにはラテン文字6文字程度の好きな単語(大文字のみ・小文字のみ・大文字小文字混植不問、言語も不問、書体もお好みで)を、縦100mm、横225mmの枠内に、A4サイズのトレーシングペーパーと鉛筆またはシャープペンで自分なりにバランス良く配置して手書きをしてきてください(文字内は塗りつぶす)。※ご自分の好きな書体をトレースしても構いません。その場合でもPC上でバランス良く配置してからトレースしてください(元の、書体のプリントアウトもご持参ください)。

❖目的:
  • 自分の手で描いて、皆でアドバイスし合い、修正して、またアドバイスし合う経験
  • 文字全体(タイポグラフィ)のバランス、文字間(カーニング)のバランス、文字毎(書体デザイン)のバランス、これらの感覚を磨くこと
  • 「文字を観る目」を養うこと。
ワタクシが2年以上前に、J-LAF主催「ゴードン恵美 レターカッティングワークショップ」(第1回目)に参加して得た、文字好きな人たちとひたすら文字について意見を言い合ったりするという経験と、文字と文字組みのシビレル感覚、を再現できたらと思ってます。

意見を言い合う経験は、
文字のレターフォーム、デザイン等を参加者同士で検討し合うクリティーク(Critique) と呼ばれるローハンプトン大学で採用されていた教法を導入し、生徒それぞれの作品をさまざまな側面から向上を目指すとともに、作品作りにおける生徒の自発性を伸ばしていきます。
参照元:J-LAF主催「ゴードン恵美ワークショップ「レターカッティング入門」2012」より
ということで、実際2日間かけて意見を出し合いましたが、ためになることばかりで非常に楽しい討論会となりました(決して、どこかの討論番組のように、アホボケカスとはなりませんのでご安心ください(笑))。

シビレル感覚は、カリグラファーさんの文字と文字組みに対する感性が非常に研ぎ澄まされていたコト。その日、自分の文字感性は完全崩壊し、只愕然とするばかりでした。この痺れはその後一週間続き、気付けばカリグラフィーの門を叩いていました。その時に経験したコトの一つが、ほんの0.1mm単位の違い(当日は「毛一本分」と言っていた)で、文字の姿や文字組全体のバランスが変わってしまうというコト。これを見極めるのに多くの時間を費やしていました。

この場に居られたことが本当に嬉しく楽しくもあったので、今回はそのような場を設けられたらという思いでこのもじ勉を開催することにしました。

❖日時:
2012年6月9日(土)9:00〜17:00(作業は16:30まで。残り30分で片付けとなります)

❖定員:
10名(応募者多数の場合、応募メールの先着順とさせて頂きます)※定員に達しました

❖参加費:
1,500円(会計は当日いたします。出来る限りお釣りの無いようにお願いいたします)

❖会場:
イベントスペース併用型シェアオフィスFacto(ファクト) Yスペース

❖所在地:
〒550-0005 大阪府大阪市西区西本町2-4-10 浪華ビル201【写真付きの道順案内と地図

❖当日ご持参頂くもの:
  • 予め皆さんが描いた文字
  • A4サイズのさらのトレーシングペーパー(10枚程度)
  • B4程度の白い下敷き(1mm程度のプラスチック推奨。机の天板に化粧がされていないため)
  • HB程度の鉛筆またはシャープペン
  • 消しゴムまたは練り消し
  • ドラフティングテープまたはマスキングテープ
  • 定規、三角定規
  • (鉛筆の方のみ)鉛筆削り

❖当日のお願い
  • お手数ですが、当日は机・椅子・照明・コンセントの設営と片付けなど、少しだけお手伝いをお願いいたします。
  • ゴミ等は持ち帰りになりますので、当日は当方にてゴミ袋を用意いたします。
  • 17:00を過ぎますと延長料金が発生いたしますので、帰り際の片付けなど、迅速にお願いいたします。


❖お申込み方法:
メールにて、mojirukai@gmail.com宛まで、件名に「【第1回もじ勉】ラテン文字レタードローイング勉強会」を必ず記入してお申込ください。

また、終了後懇親会を催したいと思いますので(阿波座〜靭公園周辺予定)、懇親会参加ご希望の方はその旨も併せてお知らせください。阿波座〜靭公園周辺の、皆でワイガヤできる美味しいお店も募集中。

※懇親会のみ参加希望という方も募集中。その場合は上記メールまで、件名に「【第1回もじ勉】懇親会のみ参加」を必ず記入してお申込ください。

※お申込頂いた方には受領の旨の返信を致しますが、今回は手動で致しますので遅れる場合がありますことを予めご了承ください。
やむなくキャンセルされる場合は、必ず事前にご連絡くださいますようお願いいたします。
※なお、頂きましたメールアドレスは今後の「文字る」イベントのお知らせ以外には使用いたしません。


■問合せ先
メール:mojirukai@gmail.com
ブログ:http://mojirukai.blogspot.com/
facebook:https://www.facebook.com/Mojirukai

2011年6月25日土曜日

【もじ勉(もじべん)】Wood Typeを組ませていただきに、なに活様へGO!

昨日の夜中にふと思い立って、ネットでWood Typeについて調べ色々と面白そうなサイトをはてブしたりつぶやいたりしていたら、それを観たなに活様が「やる?」と仰ったのをこれ幸いと、実験と称して図々しくも本日朝からWood Typeを組んできました。

現在のなに活様所蔵のWood Typeはこんな感じです。

Wood Type全体俯瞰

こんなのとか

こんなのとか

小さめのものや、ローマン体風なのも

イタリック体まで!!


今回は適当に選びまして、上記写真の2枚目と、4枚目上のWood Typeを使って私管理人の屋号であります「ESZETT (eszett)」を組んで手フートで刷ってみます。

まずは、組むための諸道具たちのご紹介。

上から、インテルと木インテル、ジャッキハンドル、ステッキ

木インテルの固まり

木製のファニチュアなど

インテル切り器

上から、ブラシ、ならし木とハンマー、インク缶と洗い油

これらをエッコラヨッコラと使いながら組んでいきます。まあなにぶん活字の組版作業が初めてなので手際の悪いこと。
ですので、組版しながら写真を撮るなどという芸当は出来ませんので、次はチェースに組み終わった写真を。

まあ、なんて汚い組版なんでしょう(苦笑

ズブの素人がやったらこんなもんでしょう(開き直り


組み上がったら、早速手フートへセット!

正面から

おまけの斜めから

セットし終えたら、インクの用意。

インキベラ、インキローラー、インキ練り盤

漢は黙って墨一色!
手フートにインクを盛り試し刷り。

試し刷り2回の結果

…う〜む、インクのノリが悪いですね。
この後、胴張りの高さかインクの盛り不足か色々試行錯誤しても上手く行かず、最後は薄い紙を張って活字の高さを調整してみました。

わかります?中央一寸下のクリーム色の横長長方形が活字の裏に貼った薄紙

この後もナンヤカンヤやりながら、活字の裏に紙をペタペタ貼りつつ微調整の嵐。
結果こうなりました。

ジャジャ〜ン!どう?

上の文字列所々消えてる、と仰る方、仕方ないんです、摩耗して他より高さが不足しているんです、勘弁して下さい。
…と泣きを入れたところで1回目はこれにて終了。


続きまして、第2回目をば(えっ?!
行きますけど何か?(爆

次は活字を変えまして、こちらを選択。

下のローマン体風活字を使って

組み上がり

刷り上がり。ジャッジャジャ〜ン♪

…ん、斜めってる?気にするなぁ〜。


とまあ、こんな感じで3時間、汗ダラダラかきながら至福のお時間でありました。(この後直ぐに製本所さんの見学会に直行す)
もう一寸組上げ方勉強せねばアキマセンね。




おまけ

上左:ブレース鋏、上右:鳥居鋏、下:アメリカRouse社のJob Stick