2011年11月2日水曜日

【東京:イベント情報】アルファクラブ主催Ewan Claytonワークショップ

先日神戸で開催されたKCF主催WS「ローマン体活字の発展 カリグラフィーからドローイング」は無事終了しましたが(その模様は管理人のブログに掲載しております)、東京でもアルファクラブ主催でEwan ClaytonのWSが、3クラス開催されます。カリグラフィー団体の主催ですが、カリグラフィー経験のない方の参加が可能なクラスもありますので、文字や書体に興味のある方はお気軽にお問合せ・お申込みください。楽しいですよ。




クラスA (2日クラス)

期日:11月12〜13日 (土・日)
時間:10:00~16:30
受講料:19,000円
定員:16名
会場:オリンピック記念青少年総合センター カルチャー棟 (代々木公園隣接)
*カリグラフィー経験のない方も参加可能

ローマン体活字の発展 - カリグラフィーからドローイングへ
A workshop on the development of Roman Type, from calligraphy to drawing

エドワード•ジョンストンは論じている。「アートを生み出す、あるいは再生するには、生み出された往時の疑似体験を経るものだ」(Writing & Illuminating and Lettering, 1906)。このワークショップでは、西洋活字について、こうした過程をみていく。この歴史のクラスでは、ペンを手にし、文字を描き、トレースしながら、印刷が導入されてから今日まで、西洋活字のフォルムが発展してきた過程を理解していく。ヨハネス•グーテンベルクによる印刷の発明から、ルネッサンス期ベネチアでのローマン体(大文字と小文字)に至るまで、西洋活字の発展の主要な時期を概観する。ヨーロッパで科学技術へのアプローチの変遷により、こうした字体のフォルムが時とともに変化していく様を見ていく。しかし、根底にあるのはカリグラフィーの書体だ。このことを心に留めおくことで、近代の西洋タイポグラフィーの発展をよりよく理解することができるだろう。






クラスB (1日クラス)

期日:11月17日 (木)
時間:10:00~16:30
受講料:10,000円
定員:16名
会場:オリンピック記念青少年総合センター カルチャー棟 (代々木公園隣接)

カロリング小文字体-イタリア人のバリエーション
Carolingian minuscule - the Italian variation

見逃されていた宝! 12世紀に誕生し、丸みを帯び、読みやすい字体。ローマン体小文字を創ろうとしていたイタリア人文主義者たちによって研究され、近代の字体の基本になった。今回のワークショップで考察するマニュスクリプトについて、エドワード•ジョンストンはこう述べている。「善きライティングに必要なあらゆるクォリティーを高度に備えている。私がこれまで見た中で最も完璧で満足すべきペンマンシップだ」 加えて、書くのがとても容易で、フォルムのバリエーションが様々に楽しめる字体でもある。






クラスC (2日クラス)

期日:11月19〜20日 (土・日)
時間:19日は10:00~16:30、20日は10:15~16:45
受講料:19,000円
定員:8名
会場:19日は3331Arts Chiyoda(末広町)、20日は港区生涯学習センター(新橋)

スペースを考える
Working with Space

スペースの重要性に焦点をあて、デザインの可能性を広げることが、このクラスの目的だ。受講者は、一連の練習により’開眼’し、ここから各人のプロジェクトが自然に生まれる。中心となるのは、ラインとスペースを一対とみなすこと、文字を三次元のものとして描くこと。そうすることで、文字をより抽象的なコンポジションとしてとらえることができるようになる。また、イムレ・ライナー、ハンス・シュミット等の20世紀のレタリング・アーティストや、アヴァンギャルドの伝統をもつ日本人書道家らの作品の中で、スペースが重要なコンセプトであることについて、より深く考察することができる。(このクラスは、11月9〜10日(水・木)に名古屋でも開催されます)








申込先:chieko-h2121@nifty.com 広瀬智恵子
受講希望クラス、電話番号をお知らせ下さい。受講受付と、持ち物および会場の情報を返信メールでお知らせします。


註記:今回の東京開催クラスでは通訳は付きません。予めご了承のほど宜しくお願いいたします。



1112(土)のクラスの後、5時ごろからスライドレクチャー(サンヴィートについて、会場は上と同じ、受講者は無料)、およびその後に会場近くのカフェでの懇親会(会費2500円)を予定しています。参加ご希望の方は、同じく電子メールでお申し込み下さい。


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Ewan Claytonプロフィール

ユーアン・クレイトンはサンダーランド大学にてデザインの教授、そして大学内の国際カリグラフィー研究センター(The International Research Centre for Calligraphy)の責任者の一人として務めている。2009年には、同大学の新しいカリグラフィーとデザインの技術者養成の学位Foundation Degree in Calligraphy with Designのプログラムをロンドンのケンジントンパレスにてスタートさせた。ユーアンは、カリグラファー、エドワード・ジョンストンの故郷でもある英国サセックス州ディッチリング村の近くで育った。彫刻家でもあり書体デザイナーでもあったエリック・ギルが工芸家達のコミュニティーを開いたディッチリング・コモンにて、ユーアンも彼の家族3世代が工芸家として働いた。ユーアンは、世界で初めてパーソナルコンピュータの原型を開発したゼロックス・パロアルト研究所のコンサルタントを12年間務めた。現在は、委託作品の作成、展覧会の主事、そして指導することに時間を割いている。ヨーロッパ、北アメリカとアジアにて講演や展示を幅広く行う。出版物では、リンデスファーンの福音書や中世の写字生の描写、20世紀のレタリング・アーティストであるエドワード・ジョンストンやデイヴィッド・ジョーンズの人生や作品、カリグラフィーのデジタルフォントとの接点とサムナー・ストーンなど歴史的な題材を取り扱っている。2000年から2001年にかけて、英国の芸術支援団体であるアーツ・カウンシルの支援により開催された「Springlines」という中国、日本、イラン、アラブ6カ国、ヨーロッパと北アメリカのコンテンポラリー・カリグラファーの作品を初めて集めた展覧会の主事を務めた。2013年には、出版社アトランティック・ブックスから「書かれた言葉‐書の歴史」(「The Written Word: a history of writing」)が出版される。

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