2012年7月23日月曜日

【WS参加】第3回ゴードン恵美WS「レターカッティング入門」

早くも第3回目となりました、J-LAF主催ゴードン恵美WS「レターカッティング入門」の大阪開催分に、第1期生として3回目の参加(皆勤賞)。
大阪は今回第1期生(3回目)と初参加者が出席。


Letter Cutting Works
右上2点恵美さんの作品、他は参加者のこれまでに製作した作品

これまでの進行具合は上の写真の通り。第1期生のほぼ全員は最低1つは彫り上げています。
しかしワタクシ、第2回目から2年、そして関西文字彫り勉強会から1年のブランクで、やり方をほぼ忘れた状態。とほほ。



❖第1日目

今回彫る予定の文字は、日頃アイコンにしている「ß」(エスツェット)。アイコンを彫ったものに差し替えようという魂胆。

My Writing ß (past)
第2回目の時に用意したß。long sとzの合字。

じつはこの文字、第2回目のときから予定していてそのまま漬け置かれたものなのだけれども、この2年で筆跡が全く変わってしまったので今回新たに書き起こしたものを用意。

Practice
今回用の文字のために色々試し書きしたもの。右下の鉛筆で囲った文字が採用した字形。

当初は、前回同様long sとzの合字のßにしようと考えていたのだけれども、どうにも形が上手く収まらなかったので、long sとshort sのßにしてみたら上手く収まりまして。

My Writing ß (1st)
①今回用に新たに用意したß。今回はlong sとshort sの合字で。


まずは皆さんの自己紹介から始まって、次に各自用意した文字の講評会へ。この講評は先月のもじ勉でした形式です。

self-introduction
自己紹介中

(講評の模様は、集中し過ぎて写真撮るのを忘れてました。。。)
皆さんの鋭い文字感覚(スペースやかたち)から放たれる鋭い突っ込み、いや意見の応酬はいつもながら目を見張るばかり。この時間は皆日本人ぽくないんですよね、兎にも角にも意見を述べまくるあたり(笑)。いろんな意見が聴けて、貴重で楽しいんです。


ワタクシも、左のステムの太さをもう少し下までいくようにすれば、などなどの貴重な意見をいただいて、もう一度ペンで書き直しすることにしましたが、ナンヤカンヤで第1日目は早くもお時間となってしまい、宿題ということになりました。



❖第2日目

1日目で宿題となった書き直し作業で書き起こした文字は以下の通り。

My Writing ß (2nd)
②書き直しバージョン

左のステムを太くすることで、全体的に太くし直すことにしました。が、前日の①に比べて左のステムの下先が伸びてその右横のスペースが空き過ぎているのが少し気になっていました。


そんなこんなで、1日目で指摘された箇所を各自修正したものをまた講評し合う作業へ。


自分が気になる箇所は皆さんも気になるようで(苦笑)。あと、全体的に書き文字らしくないという指摘をいただく。これは元来の自分の文字を書く際の手癖と、それから興味深いことに、書いた文字をトレースする時点で何がしかの干渉が入るため(綺麗にトレースしようとするあまり無意識に線を綺麗にしてしまうこと、書いた文字をトレースすること自体に違和感をおぼえること、などなど)、書き文字らしさが消えてしまうらしいことがわかったので、「ダブルペンシル」で書いてみたらと恵美さんよりご意見をいただきました。


で、早くも2日目が終了。講評していたらあっという間に時間が。。。


❖第3日目

ということで、何度も何度も「ダブルペンシル」で書いてみる作業を。
Double-pencil Stroke
「ダブルペンシル」で書いたß

②のßと比べて「ダブルペンシル」の方が書き文字らしいことがわかりますでしょうか? ßの頭の曲線や右側の線の連なりの曲線がしっかり出てきました。実はこれまで「ダブルペンシル」の効用を余り理解していなかったので、この時点で「ダブルペンシル恐るべし」と感じ入って驚愕してしまいました。ということで、今回の収穫は「ダブルペンシル」の効能なのでした(笑)。


そしてこれから合体作業へと入ります。
なにゆえ合体作業なのか。実は、1日目の①の右半分、2日目の左半分、そして「ダブルペンシル」の頭と右側の曲線、これらが部分的に好みで、この際合体させてしまえばいいのではと(苦笑)。で、合体させてみました。

My Writing ß (final)
合体!!!

講評では皆さんから無事OKいただきました(ホッ)。


そうして、この文字を石に写します。文字と石に十字を書いて、石と文字との間にチャコールペーパーもしくはカーボン紙を敷いて上からトレースします。

Tracing
写し終えたところ。赤のカーボン紙なので見にくい(苦笑)

本当は、白のチャコールペーパーの方が見やすいのでそちらをお奨めします。


残念ながら、写し終えたところで時間が来てしまいました。後はまた皆で集まるなり一人なり、コツコツと彫り進めていきます。



❖その他もろもろ

<石>

今回は、スレートだけでなく、ライムストーンや砥石やその他各自が彫りたいと持参した石でも試し彫りが出来ました。

P7140158

底が平らでない石などは写真のように石膏で固定して彫ります。

<拓本>

通常彫った石は納品されてしまうので、彫り師の方の手元には何も残らないので、納品前に拓本を採るそうです。折角なのでその拓本の採り方もご教示いただきました。

doing a rubbing of a stone
紙の上から直方体のクレヨンで擦ります。

completion of a rubbing
拓本完成

<道具>

石を彫る道具は鑿と鎚ですが、向こうの道具は日本のものとはちょっと違った姿をしています。

Chisels
鑿。英語ではchisel(チズル)といいます。タングステン製。左から12mm、10mm、5mm。

一番左の12mmのチズルは恵美さんからの拝借もの。今回のßは12mmでないと彫れないのだけれど、今回購入できるチズルに12mmがなかったので。

Dummy
鎚。英語ではdummy(ダミー)といいます。面白い形をしてます

Sandpapers
鑿を研ぐ紙ヤスリ。ダイアモンド入り。

<彫り痕>

恵美さんの彫り痕をドアップでご覧ください。

Carving of Gordon Emi
ステム上部とセリフとブラケット

Carving of Gordon Emi
ステム下部とセリフとブラケット

ブラケットの曲線が絶妙。


Carving of Gordon Emi
左:恵美さん、右:我々

まあ、こんなもんです(泣)


以上、第3回ゴードン恵美WS「レターカッティング入門」の模様でした。




❖おまけ

実は、第2回と第3回のWSの間に心変わりしかけて、wを彫ろうとしてました。もう日の目を見ることはないのでここに晒しておきます。
My Writing w

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